医療法人社団 煌の会 YSYC山下湘南夢クリニック

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 不妊治療費助成金指定医療機関 藤沢駅南口徒歩4分 TEL 0466-55-5011

スタッフブログ 山下湘南夢クリニック(YSYC)は、神奈川県藤沢市にある不妊治療を専門とする医療機関です。 そこで働く私たちスタッフが、日々感じた事や不妊治療に関する事を書いています。

  • カテゴリー:YSYCの日常

    2017.12.30

    こんにちは。培養部の中嶋です。

    朝家を出ると、近くの川沿いに一面霜が降りて日に日に寒さが厳しくなっていくのが改めて実感されます。空気も乾燥し風邪が流行っていますが、体調崩されていないでしょうか。

    2017年最後のブログ更新となりました。

    個人的なことになりますが、今年後半にあった嬉しい出来事を少し書こうと思います。

    私の高校の友人の話です。クラスは異なりましたが、ふとしたきっかけで仲良くなり、アカペラを一緒にやり文化祭やライブなどに青春を注ぎました。彼の家が学校から近くの処にあったので、たまに遊びに行ったりしていました。家に遊びに行くと部屋には漫画やCDが多くあったのが印象的でした。そこで初めて知ったのですが、彼は漫画を独学で描いていて、スケッチブックに描きためていました。恥ずかしそうに漫画を見せてくれましたが、その時は趣味程度のものだろうと思っていました。

    しかし、大学卒業後就職はせず彼は漫画をずっと描き続けていったのです。お互い大学を卒業した後は会う機会も少なくなり、近況もあまりわからないまま月日が過ぎて行きました。ただ、会った時には”まだ描いてるよ”という返事だけで進展は不明でした。大学を卒業して約10年が経つ今年、急に彼から電話がかかってきました。“やっと決まりました!いやぁ長かった。”と。

    彼の作品が某有名漫画雑誌の増刊に載ることになったのです。

    漫画の世界は厳しいということはなんとなくわかっていますが、実際の彼の苦労は計り知れません。

    おそらく持ち込んだ先の編集の方から心ないことを言われたり、就職しないことで親からのプレッシャーがかかったりしたと思います。しかし、それでも諦めずに続けてきたことで掴んだ夢だと思いました。

    彼は電話口でいたって冷静にこのことを伝えてくれましたが、それまでの苦労を考えると私自身も嬉しさがこみ上げてきて自分のことのように一緒に喜びました。肝心の漫画ですが、昨日の発売とともに本屋へ走り、2冊買ってしまいました。

     
    さて、私自身今年を振り返ると、さらに新たな技術を身につけることができた1年だったと思います。忙しい中熱心に教えていただいた先輩方には大変感謝しております。一方、諦めたものもたくさんあります。そもそも手もつけずに諦めて実践してこなかったこと、手をつけたけれど結果が実らず諦めたもの、たくさんあります。しかし、諦めずに続けていくことで結果につながるということを私の友人が教えてくれました。来年は今年の反省とともに、立てた目標を達成していけるよう諦めずに生きたいと思います。

    そして、来年も患者様のためになるよう日々邁進していきたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

     
    培養部 中嶋

     
     
  • カテゴリー:YSYCの日常

    2017.12.30

    こんにちは。

    本日が今年最後の診療日になります。
    毎年感じますが、1年があっっという間です。

    皆様にとってどんな1年だったでしょうか。

    先日ミーティングでスタッフ全員のスピーチがありました。
    毎年年末最後のミーティングで1年を振り返ってそれぞれがスピーチをするのですが、
    スタッフみんなが患者さまの赤ちゃんが欲しいという願いを叶えるために様々な思いを胸に
    それぞれの業務に真摯に取り組んでいるのが改めて分かり、込み上げる物がありました。

    向上心のあるスタッフと一緒に働け、自分自身刺激になってまた更に頑張ろうという気持ちになります。


    来年も少しでも患者さまのお役に立てるように精進して参りますのでよろしくお願いします。
    今年1年ありがとうございました。

    良いお年をお迎えくださいませ。

    受付 八代
  • カテゴリー:YSYCの日常

    2017.12.30

    こんにちは。前回のブログでは当院の胚盤胞の評価について書かせて頂きました。
    今回は胚盤胞移植の際に行う胚盤胞孵化補助(アシステッドハッチング)についてご紹介いたします。
    その前にまず胚の発生について簡単に説明いたします。
    まず、精子と卵子が出会うと受精卵となり2つの核が形成されます。
    この核が消えてから分割を開始し、およそ8-16細胞くらいにまで分割したところで細胞同士がくっつき始めます。
    細胞の大部分がくっついた後、腔が形成され胚盤胞となります。そして胚盤胞は子宮に到達した後、内側から膨らみ透明帯を破り外に飛びだし着床します。
    これを孵化といい、胚にとって着床するための一番の頑張りどころです。

    しかし、ここで透明帯を破る前に力尽きてしまう胚もいます。

    図1)

    そこで、胚の成長過程、既往歴、治療歴を考慮しアシステッドハッチングを行うことがあります。

    アシステッドハッチングには透明帯の一部に穴を開ける方法と、完全に透明帯を除去する方法があります。

    当院では透明帯の完全除去を行っています。透明帯に細胞が引っかかってしまうと孵化がうまくいかず、着床できなくなる場合があります。完全除去はそのリスクを避けるためです。

    図2)

    また、着床に必要な遺伝子の働きが促進されるという報告もあります。

    透明帯の完全除去により胚は物理的なストレスを受けやすくなります。しかし日々技術を磨き、スムーズに移植を行えるようになれば万事解決です。

    今年もあと少しとなりましたが体調を崩されないようお過ごし下さい。
    また、来年も患者様に良い結果が出るよう日々精進していきたいと思います。

    培養部 阿部

  • カテゴリー:研究内容

    2017.12.27

    前回の投稿から日が空いてしまいましたが、皆様お元気でしょうか?高度生殖医療研究所の室長の中田です。
    10月から12月と学会発表以外にも出張や講演のお話をいただき、11月、12月ともに職場に出勤する日が半分以下もしくは1週間くらいという毎日でした。
    その中で、私が学会や実験以外にも力を入れていることを今回はお話したいと思います。
    胚培養士~生殖医療の現場から~というお話を先日、桐蔭横浜大学の大学生さんたちにお話してきました。
    その内容がNHKのネットニュースの記事になりましたので、よかったらご覧ください。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011271571000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_017

    患者さんやこのブログを読んでいただいている皆さんは、培養士がどのように技術を覚えていくかをご存知の方はいらっしゃるでしょうか?
    日本中、おそらく世界中でも、マウスや動物の卵子でトレーニングを積んでから、臨床で技術を活かす、という方法は取られず、患者さんから善意でいただいた胚や精子でトレーニングしているのが実情です。
    しかしながら、当院は違います。私の高度生殖医療研究所で、動物の胚を準備して、凍結胚盤胞の技術習得、卵子へのピエゾICSIを行って、高い技術をもつ培養士だけが研修をクリアし、さらに培養室長のもとで鍛えられる、というシステムを取っています。マウス卵子は哺乳類最弱であるため、その卵子でトレーニングをすることで技術を高めることができるからです。
    この背景には、培養室の臨床業務の間に教える時間がなかなかないことや、基礎からしっかり学ぶ機会を持ちたいことから、医師、培養士、研究という3者の合意で進めている当院独自のトレーニングシステムです。
     
    今は、一人がピエゾICSIを習得中、そして先日は一人が凍結保存技術を習得しました。一人に習得してもらうためには、動物の胚での練習を何度も何度も繰り返すこともあります。
    準備もとても大変ですが、提供されたヒトの胚盤胞を実際に練習として何も思わずにできるでしょうか?自分の肉親の胚盤胞で練習できますか?という話につながります。
    人に何かを教えるというのはとても度胸が必要なのですが、何よりも大事なのが教える方、教えられる方の努力に尽きると思います。
    今回のテーマに挙げた「湯を沸かすほどの熱い愛」、という映画をご存知でしょうか?海外で学会発表する際に向かった飛行機の中でみて、3回も見てしまいました。3回とも号泣してしまいました。宮沢りえさんの演技も良かったですが、篠原ゆき子さん(コウノドリにも出演されて、死産をされた母親を演じていた方です)の演技に、涙が止まりませんでした。篠原ゆき子さんの役の女性は聴覚障害で出産した娘を育てられず、宮沢りえさんが自分の子として育てていました。その子は宮沢りえさんの旦那さん役のオダギリジョーさんが浮気してできた子供でした。宮沢りえさんは自分の子供としてたくさんの愛情を注いで育てていましたが、その子が学校でいじめに合っても、母親としてできることを最大限にしていました。宮沢りえさんがその子を篠原ゆき子さん扮する聴覚障害の母親に面会させる姿、自分の子供だと気づいた時の篠原ゆき子さんの声にならない叫びと涙(もう号泣でした)。宮沢りえさんの役の女性は、自分は旦那さんの子供を産むことはなかったけれど、自分の愛情を注いだ子供たちに囲まれ、たくさんの友人たちに囲まれて、余命2か月を精一杯に生きた姿は思い出しても涙が出てきます。
    「あの人のためなら、何でもしてあげたいって思うか、多分それって、その何倍もしてもらっているって思えてるからなんじゃないかな。」
    映画の中での印象的な言葉です。いろんな人に何かを伝える機会があって、自分のベストを尽くしたいと思って一生懸命に教えても、他で嫌な思いをしないようにと厳しく言っても、パワハラだと言われたり、あちこちに悪口を言いふらされたり、たくさん悲しいことはあります。でも、そのうちの何人かが、患者さんの赤ちゃんができることに繋がるために教えた技術を使ってくれるならばいいのかな、と映画をみていて思うようになりました。私はまだまだ何倍もしてないなと思いました。そんな思いから、教える時には優しく厳しくしないと、患者さんの涙に繋がってしまうので、なかなか大変だなと思いつつ、日々勉強になるこの頃です。
     
    最後になりましたが、今年も私の投稿を読んでいただいてありがとうございました。一人でも何かの役にたっていただけていたら良かったなと思います。
    職場の同僚たちのたくさんの応援、たくさんの方々との出会いのおかげで一年を過ごすことができました。来年も予定がいくつか決まって来ていますが、初心を忘れずに行きたいと思います。来年もYSYCに関わる皆様の幸せを祈願し、たくさんの笑顔と涙と、彩の多い一年にできるようにしたいと思います。
    ありがとうございました。
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医療法人社団 煌の会 山下湘南夢クリニック 院長:山下直樹
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