医療法人社団 煌の会 YSYC山下湘南夢クリニック

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 不妊治療費助成金指定医療機関 藤沢駅南口徒歩4分 TEL 0466-55-5011

スタッフブログ 山下湘南夢クリニック(YSYC)は、神奈川県藤沢市にある不妊治療を専門とする医療機関です。 そこで働く私たちスタッフが、日々感じた事や不妊治療に関する事を書いています。

  • 2019.07.27

    今年91歳になった父は、母が亡くなる少し前に介護施設に入所して三年になります。

    もとはホテルだった建物を改装して作ったその施設には、たっぷりとしたソファが何脚も並んだ広いガラス張りのロビーがあり、錦鯉の泳ぐ日本庭園が眺められます。その四階の個室に父は入居しています。親戚からはこんな立派な施設に入ることができてお父さんは幸せ者だねと言われます。

    父は破天荒な人生を生きた人でした。裸一貫から事業を起こし、順風満帆な時と逆境の時を繰り返し生きてきました。羽振りの良い時には金沢の一等地に豪華な家を建て、当時は珍しかった外車に乗り、日本全国津々浦々家族を旅行に連れて行ってくれました。

    逆境の時には、すべての資産を失い、唯一残った工場の二階に急ごしらえの部屋を作り、家族四人で過ごしたこともあります。良い時の意気揚々とした父の姿を知っているだけに、肩を落とした父の後ろ姿は子供心にもとても悲しい光景でした。子煩悩でユーモアがあって家族を深く愛する一方で、短気で、浮気性で、酒飲みで、母を泣かせたり従業員を怒鳴りつけたりする父の姿は、思春期になった頃の私には煩わしく、なんでこんな父親のもとに生まれたのだろう、もう少し穏やかな家庭に生まれたかったと思うこともしばしばでした。

     
    月に二度、土曜日の外来診療が終わると藤沢駅に急ぎ、夕刻に東京駅を出発する北陸新幹線に乗り故郷の金沢に向かいます。そして、日曜日に母の墓に参り、父を見舞い、住む人のいなくなった実家の郵便物などの整理をします。週明け月曜の一番列車で金沢から藤沢に戻り、また新たな一週間の仕事に取り掛かるのがここ数年の二週間に一度の私の慣例になっています。

     
    最近は、墓参りの代行業が繁盛しているとか、先祖代々の墓を放棄する人が増えているとか殺伐としたニュースが報道されていますが、私は墓参がとても好きです。花と水桶を携え、高台にある墓へ続く坂道を登っていきます。墓に着くと、遠くに日本海が輝いていて、心地よい海風が街を越えて渡ってきます。強い風に消えてしまいそうになる蝋燭の炎に手をかざしてようやく線香に火を点すと、揺らめく白煙とともに昔と変わらない香りが広がり、お盆に両親の実家に遊びに行った子供の頃の懐かしい思い出が蘇ってきます。春にはウグイスがさえずり、夏の蝉しぐれ、秋には紅葉、そしてしんしんと降り積もる雪、季節それぞれの風物詩が時の流れを感じさせてくれます。目を閉じて、手を合わせると静かで穏やかな時空にいざなわれ、日々の生活でささくれだった心が癒されていく気がします。

     
    墓参をすませた後、父のいる介護施設に向かいます。娘たちは“おばあちゃんのお墓参りの後におじいちゃんのお見舞いって、お父さんはいつも順番が逆だね。”と笑います。けれども、自然とこの順番になってしまいます。

     
    金沢に帰ると欠かすことなく父を訪ねてきた私ですが、実を言えば、父の見舞いは気が重い、ある意味、義務のようなものに感じてきました。疲れている時など“今日は見舞いに行くのやめようかな”とこぼす私に“行った方がいいよ。おじいちゃん待ってるよ。”という家族の後押しに支えられて、渋々見舞いに行ったことも何度かあります。我ながら親孝行とは呼べない息子だなと思うのですが…。

     
    父が嫌いでもないのにどうしてこんな気持ちになるのだろうと考えるのですが、きっとそれは、自由奔放に生きてきた父が、大好きだった酒も飲めず、最良の話し相手であり喧嘩相手でもあった母と話すこともなく、食事と排泄とたまの入浴以外はベッドの上で眠っている生活が、自由を奪われた鳥かごの鳥のように思えて、-父はこの生き方に満足しているのだろうか?口には出さないけれど本望ではない苦しい時間を送っているのではないだろうか?-などと考えてしまい、いたたまれない気持ちになってしまうのです。

    “もう帰るの。もう少し一緒にいてあげようよ。”という家族の言葉を背に、“じゃあ、帰るね。また来るよ、なにか欲しいものはない?”

    と耳の遠くなった父の耳元で声をかけ、それから手を握って部屋を後にします。

    父は弱った足で部屋の戸口までよたよた見送りに出て、手でコップの形を作り口元に運び、一言“ビール”と言って皆を笑わせます。そして、“また、来てね。”とエレベータの扉が閉まって私たちが見えなくなるまで小さくゆっくりと手を振ります。

     
    今日も食堂で、一言も話さず、一粒も米粒を残さずに食べ、そして、箸を綺麗にそろえ、口を拭った濡れナプキンをきちんとたたんで食事をとっていると思います。

    施設の職員に“かあさんは、どこ行った?”と声をかけながら、帰ってくるはずのない母をエレベーターホールの椅子に腰かけ待っていると思います。

    衰えていく肉体と、薄れてゆく精神の中で、父は父なりに穏やかで静かな時間を過ごしているのかもしれません。

    そう思うと、新幹線の車窓を飛ぶように流れていく景色を眺めている私が幸せで、古い町並みの上をゆっくりと流れていく白い雲を部屋の窓から見ている父が不幸だというのはただの私の思い上がりに過ぎないように思えてきます。

    今度は少し明るい気持ちで父の見舞いに行けそうな気がします。

     
     
     
    2019年7月27日 院長 山下直樹
  • カテゴリー:YSYCの日常

    2019.07.26

    こんにちは
    やっと長かった梅雨も終わりそうですね。
    今週末は台風も近づいてるようなので、お気をつけください。

    先週、韓国好きのお友達に連れられて久しぶりに新大久保に行って来ました。
    食事や買い物するお店など、その日の予定は全て友達にお任せしました。
    まず、ランチをするお店に向かいました。



    「くるむ」という平日でも行列ができる人気店だそうです。
    11時開店なので30分前にはお店に着いたのですが、すでに10人以上の
    列が出来ていました。
    結局1時間以上待って、やっと入店。
    メニューは18種類のお肉から1種類選び、15種類の野菜とサイドメニューが付いている
    ランチセットを注文。
    お肉は店員さんがテーブルの鉄板で美味しく焼いてくれます。
    野菜はお肉に巻いて食べるのですが、山盛りで来るので食べきれない程です。




    残った野菜は食後にスムージーにして出してくれるので安心です。
    またこのスムージーが本当に美味しいんです。



    お腹が一杯になったので、散策しながら買い物にいきました。
    まず、コスメのお店へ。
    種類がたくさんありすぎて、選ぶのも大変でしたが、みんなで試供品をつけてみたり、
    匂いを嗅いだりしてハンドクリームを買いました。
    その後は、韓国食品を数多く揃っている「ソウル市場」へ。
    お惣菜もたくさん置いてあり、韓国の海苔巻キンパも店頭で作って売っています。
    ついキンパのごま油の匂いにつられ購入してしまいました。
    参鶏湯も大好きなので、冷凍のパックを購入し、まだ自宅の冷凍庫に入っています。

    国内なのにまるで韓国に行ったような感覚になる熱気のある街でした。
    この日だけでは新大久保をまわりきれなかったので、また近いうちに韓国好きの
    お友達に案内してもらおうと思います。

    これから夏本番、暑くなりますので体調に気をつけてお過ごしください。

    受付 松浦




  • カテゴリー:YSYCの日常

    2019.07.26

    突然ですが、私は横浜DeNAベイスターズのファンです。

     
     
     
     
     
     
     
     
    昨日、今シーズン初の5連勝を完封勝利で飾り、興奮して夜も眠れません。
    母の影響で小学生の頃から野球が好きでした。
    特に母は大洋ホエールズからの熱烈なファンで、ガラガラの横浜スタジアムで応援団をしていた時期もあるそうです。
    その話を聞いて、やはり私には生まれつきヨコハマブルーの青い血が流れているのだと、血の繋がりを強く感じました
    大袈裟だとよく言われます)
     
    本格的な観戦デビューは去年の対楽天戦でのサヨナラ勝ちの試合でした。
    ストーリーのある素晴らしい勝ち方で、これからは出来る限り現地で選手たちに声援を送ろうと心に誓いました。
    他球団から笑われてしまうとんでもない負け方や、目を覆いたくなるようなひどい守備や大型連敗をされても、胸を熱くさせ、心に残る試合をしてくれるのは私にとってベイスターズしかいないなと思っています。
     
    今年はすでに10試合以上現地に足を運び、野球が生活の一部になりつつあります。
    さらに嬉しいことに、野球観戦が本格的な趣味になってからは友人も増え、ますます球場に行くのが楽しくなりました。
     
    また幸運にも、東京オリンピックの野球チケットも当選し、野球漬けの日々は来年も続きそうです。
    今、ベイスターズは最下位から二位まで這い上がってきました。
    まずは念願のリーグ優勝を目指して、打倒巨人で一位を目指します。
    8月も汗だくになりながら、精一杯応援しに行きたいと思います!
     
    最後に、
    初めてファールボールを手に入れました!
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    大好きなソト選手のものだったので嬉しくて飾っています。
    周りのおじさまたちと、ハイタッチをして喜びを分かち合ったのも良い思い出です。
     
    次はホームランボールをゲットできるように頑張ります!
     
    看護助手 今野

     
  • カテゴリー:研究内容

    2019.07.22

    皆様はいかがお過ごしでしょうか?高度生殖医療研究所室長の中田です。
    5月から6月は、日本卵子学会で発表、アンドロロジー学会では優秀演題候補に選ばれて発表、そしてオーストリアで開催されたESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)に行くという、今までにないくらいの過密スケジュールでした。
    そんな中でも私には、昔から心に決めている学会での信条があります。
    それは、「学会に参加したのであれば必ず質問をする!」です。学会に参加するのは、自分の研究やクリニックの成果を発表するため、最新の情報を得るためでもありますが、学会参加費は、クリニックの費用、つまり患者さんの治療費が元になっています。ですので、質問をせず、クリニックの名前、自分の名前も言えないまま、学会期間を過ごすのはとても居心地が悪い、なんのために参加したかわからないと思ってきたからです。
    もう10年以上前の学会では質疑応答が激しく、質問をするマイクの取り合いは頻繁に起こり、座長から続きは場外で行ってください、ということもよくある風景でしたが、最近の日本の学会ではこのような激しさはなくなってきたように思います。その中でも、私は質問することは続けているのですが
    しかしながら、海外の学会では英語の壁は厚く、気になることがあっても、英語で質問することができずにいました。しかし今回、オーストリアの学会では3回、学会会場のマイクで、英語で質問することができました。質問するということでこんなにどきどきしたのは初めてでした。
    ヨーロッパ生殖医学会は日本人の演題の採択率は低く、ほとんど日本人のいない世界中から来た人々の中で、質問をするのはとても勇気が必要でした。しかし、勇気の元には、発表の内容についてわからないことをそのままにしておきたくなかったことと、江戸末期から明治時代に日本から少年使節団(私よりもずっとずっと若い少年たちですが)がヨーロッパに送られ、英語もわからない中でたくさんのことを学んで日本に帰ってきたという本を読んだのを思い出したからでした。彼らは本当に勇気と希望に満ち溢れ、日本のこれからのことを考えていたと思います。今は、生殖医療だけでなく、他の技術も江戸末期とは違って、日本の技術の方が進んでいるし、海外にひけをとらないとも思うのですが。
    あまりうまくはない英語であっても、内容を理解しようとして、疑問を持ち、質問をする、というのは基本ではないか、と思います。
    私の質問に返答してくれたかたの答えを全て聞き取れず、全て理解できないという自分がはずかしくもありましたが、自分の少しばかりの前進を感じました。私の少しばかりの夢が叶ったオーストリアの学会になりました。しかし、英語をもっとうまくなるために努力を欠かさずにいたいなと思います。語学力がつきやすいのは若いころだと言われても、倍の努力をして、どう取り組むかで違うと思います。

    培養成績、妊娠率、研究の実績から見ても当院は世界でも戦えるクリニックだと思います。患者さんの皆様も、自分はどうだからと思わずに、まずは一歩でも、少しでも前進してもらいたいなと思います。それは、とても勇気の必要なことだと思いますが、何もしないよりも少しの努力でも、変わることもあると思います。私も英語だけでなく、実験もがんばりたいと思います。

     
    写真は、学会会場の企業ブースで見たサンドアートです。学会会場でアーティストの方がその場で作品を作るのを見たのは初めてでした。さすが、芸術の国とも思いました。サンドアーティストの方が、滑らかな手さばきで砂から家族の絵を作り出す様子にしばらく見とれてしまいました。

     
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