医療法人社団 煌の会 YSYC山下湘南夢クリニック

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 不妊治療費助成金指定医療機関 藤沢駅南口徒歩4分 TEL 0466-55-5011

スタッフブログ 山下湘南夢クリニック(YSYC)は、神奈川県藤沢市にある不妊治療を専門とする医療機関です。 そこで働く私たちスタッフが、日々感じた事や不妊治療に関する事を書いています。

カテゴリー:YSYCの日常

2021.06.07

現場の人間として
例年よりもかなり早い梅雨入りが騒がれておりましたが、関東ではようやく雨が降ったりやんだりし始めました。じめじめした日々は苦手なので、できるだけ早く終わってほしいと思います。

 
横浜でワクチンの温度管理を誤り、効果の損なわれたワクチンが大勢に接種され、また廃棄になったとニュースで騒がれておりました。会見担当者(管理責任者?)によると「冷蔵庫のコンセントが抜けており、ブザーが鳴らなかったので誰も気づかなかった」とのことです。冷蔵保管されていたはずのワクチンであれば、ワクチン希釈の際に冷蔵庫から取り出した際にわかると思いますが、厚手のゴム手袋をしていた等、温度を感じにくい条件があったのでしょうか。いずれにせよ、現場の状況を詳細に理解していないと思われる担当者のコメントでは実状が伝わらず、解決策を講じることもできません。少なくとも2か所の表現を修正すべきと考えられます。

 
修正点その①

×(冷蔵庫の)コンセントが抜けており、ブザーがならなかった

→〇(冷蔵庫の)稼働が止まっていることに誰も気づかなかった

 
修正点その②

×ブザーが鳴らなかったので誰も気づかなかった

→〇有効なチェック体制を構築していなかった

 
起こってしまった事故の原因がどこにあるのかわからず、再発防止に繋がらないようなコメントだったので、横浜市の皆さまはいっそう不安になったのではないでしょうか。

読売新聞の記事では、現在までに全国で約7000回分のワクチンが廃棄になったそうです。全国でワクチン接種者は1000万人を超えたそうですので、廃棄率は約0.07%になります。上からの急な指示で慌てて対応せざるを得ない状況となっている中、工夫を重ねて事故防止に尽力している現場の方に頭が下がります。指示を出す自治体がリスクヘッジを行えていないように思えますので、事故情報を共有し、「〇〇に気づかなかった」などとよくわからない言い訳をすることがないように策を講じていただきたいものです。

一方で、高齢者ワクチン接種のペースは一向に上がらない中、ファイザー社製ワクチンの接種対象下限年齢が16歳から12歳に引き下げられたようです。国内では10代感染者に死亡例は出ておらず、ワクチン接種の副反応の方が子供達にはデメリットのように感じますが、接種対象を引き下げるべき強い根拠が国にはあるのでしょう。根拠が明らかに示された場合、我が家の長男、次男に接種を勧めようと思います。

 
話は変わりますが、先日「ガイアの夜明け」という番組で、システム開発に取り組んでいる医師の話がありました。食道がんなど判定が難しい診断をAIが補助し、見逃しを少なくするシステムを開発しているそうですが、通常の診察も行いながらシステム開発の会社を立ち上げたそうです。昼も夜もない相当な激務であると思います。先生ご自身がシステム開発に着手した理由は、「現場の人間が一番わかっているから」だそうです。

全くもってその通りだと思いました。学会等で企業ブースを見て回ると、色々な業者さんが声をかけてくださり、新製品を紹介してくださいます。しかしながら、既存品をわずかに変更した製品が多く見られ、「そこじゃないんだよね…」というところを変更した製品も少なからずあります。現場とメーカーの視点の乖離を最近は特に感じ、新製品の採用に中々至らなくなってきています。このため、最適な技術提供のために必要な機材を、私たち自身で作成する機会も増えてきています。

YSYCでは、無麻酔採卵を可能にした極細の採卵針を筆頭に、クリニック専用品を作成・使用しています。あまり外部に情報として出すことはありませんでしたが、折角ですので培養室で特注した顕微操作関連製品をいくつか紹介します。

 
YSYC培養室秘伝その①:PIEZO-ICSI用ピペット

PIEZO-ICSIでは先端がフラットなガラスピペットを使用しますが、当院ではさらに熱処理を加え、ピペット先端の鋭利な部分を除去しています。これによりICSI時に卵子にかかるストレスの軽減に努めています。

 
YSYC培養室秘伝その②:Zona free oocyte用Holdingピペット
採卵時に透明帯(卵子の殻)が外れてしまった場合、内径を極端に狭くしたHoldingピペット(卵子の左側のガラスピペットのこと)を使用しています。これにより殻を失くした卵子が、ICSIの穿刺時に傷んでしまうことがほとんどなくなりました。
 
 
 
上記製品については、当培養室が発案・技術協力を行っているため、特に患者様の費用的な負担を増やすことなく運用ができております。今後も現場で活用できる製品の開発を継続していきたいです。

 
培養部 河野
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