医療法人社団 煌の会 YSYC山下湘南夢クリニック

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 不妊治療費助成金指定医療機関 藤沢駅南口徒歩4分 TEL 0466-55-5011

スタッフブログ 山下湘南夢クリニック(YSYC)は、神奈川県藤沢市にある不妊治療を専門とする医療機関です。 そこで働く私たちスタッフが、日々感じた事や不妊治療に関する事を書いています。

  • カテゴリー:YSYCの日常

    2020.06.28

    じめじめした日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

    今回は2020年7月1日より臨床導入致します、『Embryoscope Flex』のご紹介をさせていただきます。
     
    Time lapse(低速度撮影)という技術はご存知かと思います。星空や日の出など、変化する速度の遅い現象を定点カメラで撮影し、写真をつなぎ合わせることで動画を作り上げる技術のことで、スマートフォンなどにも応用されています。この技術を培養器に応用した製品が、Time lapse incubator(低速度撮影培養器)です。培養中の胚を培養器に内蔵されたカメラで撮影し、コマ送り動画として観察することができます。この技術により、これまでの定時観察では得られなかった胚の情報を得ることができるようになりました。
     
    例えば、胚の分割様式の異常として、direct cleavageという現象が現在注目されています。胚が細胞分裂を行う際、もともと胚が保有していた染色体セットと全く同じものが細胞内で複製されます。染色体を均等に分配することで細胞は増えていきますので、1つの細胞が分裂する場合、細胞分裂後は必ず2つの細胞になります。しかしながら、1つの細胞が同時に3つ、4つと分裂することがあります。この現象がdirect cleavageと呼ばれます。細胞が分裂する直前には、細胞分裂のルール上、染色体が2セットしか存在しません。従って、1つの細胞から3つ、4つと一度に細胞分裂が起こった場合、染色体の分配にエラーが生じている可能性が出てきます。このことから、Direct cleavageが確認された胚は分割期で移植するのではなく、胚盤胞までの成長を見てから移植をすること、また移植する胚盤胞が複数ある時の胚選択の判断に有用とされています。つまりdirect cleavageにより、成長が停止する程の異常が起こったのか、着床能を有している胚なのかを確認することで、移植当たりの妊娠率を向上させることができます。ほかにも胚の成長過程における様々な知見が各学会で報告されてきています。

    『Embryoscope Flex』は特に自然周期や低刺激周期で少数の卵子を採卵している施設専用に開発された製品であり、少数の受精卵の変化をきめ細やかに、しかも廉価に観察することができます。治療に難渋されている方の問題解決の一助として臨床導入致しました。
    ご興味を持たれた方は7月1日より院内に掲示します資料をご参照ください。また、取り扱える件数に限りがございますので、ご希望の方は、採卵後の診察時までに医師にお伝えください。

    培養部 河野

     
    Embryoscopeの紹介動画(Vitrolife社提供)


     
    正常胚のタイムラプス動画(Vitrolife社提供)


     
    direct cleavage胚のタイムラプス動画(Vitrolife社提供)
  • カテゴリー:研究内容

    2020.04.22

    こんにちは。高度生殖医療研究所の甲斐です。

     
    新型コロナウイルスが表立って騒がれ出したのは今年の2月初め(春節の時期?)だったと記憶していますが、その時にはまさかここまでの事態になるとは想像もしていませんでした。騒動以降、様々な情報がネット上を中心に出回りましたが、その中には多くのデマが含まれており、なぜか花崗岩が高値で取引をされたり、トイレットペーパーが一時品薄になってしまう事態まで起こってしまいました。入ってくる情報を鵜呑みにする行為ほど危険なものはありません。有事だからこそ正しい情報を判断し、冷静に行動することが重要です。しかしながら、溢れる情報の真偽を見定めることは極めて困難かと思います。

     
    そこで1つの判断材料としてご紹介するのが、研究者が発信する情報です。研究者には情報収集、そして情報分析のスキルが必須であり、優れた研究者ほど1つの物事に対してあらゆる角度から緻密に分析するようトレーニングされています。データを転載する際には引用元をきちんと明示することが基本となっていますので、誤った情報を選択してしまう可能性は低いのではないかと思います。残念ながら私はまだまだ修行不足で上記スキルには乏しい身でありますので、下記に京大iPS細胞研究所の山中先生が開設されたcovid-19関連情報のHPのリンクを紹介させて頂きます。

    https://www.covid19-yamanaka.com
     
    しかし、ここで注意して頂きたいのが、著名な研究者が発信する情報であっても、それが絶対ではないということです。新型コロナウイルスは未知のウイルスであり、厳密な意味での専門家は今のところ存在しません。また、データ分析から導き出された考察は、理論的には正しいかもしれませんが、それが実際の現場に即しているのか、すぐに実行可能なのかというと別問題になります。下記に神奈川県医師会が神奈川県民に向けて発表した声明のリンクを紹介致します。

    https://kanagawa-med.or.jp/images/about_coronavirus.pdf
     
    正しい情報、そして今必要な情報を選択して総合的に判断する。これは本当に難しいです。

    でも私たちが感染拡大防止のために間違いなく遵守すべき情報があります。それは不要不急の外出を控えること、3密を避けること、マスク着用と手洗い・うがいを徹底することです。最後に厚生労働省の新型コロナウイルス感染症関連HPのリンクを下記に紹介致します。

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#houshin
     
    緊急事態宣言が発令されて2週間が経過しましたが、私自身、引き続き気を緩めることのないように心がける所存です。これまでの生活が大きく変わってしまい、苦しい状況に置かれている方々が数多くおられることと思います。正しい情報に基づいた冷静な行動の徹底により、早期に新型コロナウイルス感染が収束に向かうことを切に願っています。
  • カテゴリー:YSYCの日常

    2020.04.02

    皆様こんにちは、培養室の河野です。

    COVID-19の感染拡大が止まらず、家から出ることのできない日々をお過ごしかと思います。私の住んでいる世田谷区では、ボックスティッシュは店頭で見かけるようになりましたが、トイレットペーパーは未だに見かけません。

    先日、志村けんさんがCOVID-19の犠牲になりました。子供のころからテレビで拝見しており、世代を問わずとてもわかりやすい笑いを届けてくれました。バカ殿や志村どうぶつ園を見ている時間は、現実のストレスを少しだけ忘れさせてくれました。言葉の選び方や所作から人柄の良さが伝わり、芸能人であるのにすごく身近に感じる存在だったのではないでしょうか。

    すぐに治療を終えて復帰してくるものと考えておりましたが、お亡くなりになったことに大きなショックを受けました。そのうえ感染リスクを避けるため、ご遺族であってもご遺体との面会がかなわなかったそうです。とても寂しく、可哀想でなりませんでした。人々にとって一番笑いが必要な時、一番笑わせてほしい時に居なくなってしまいました。

     
     
    ウイルス感染を封じ込めるためには、自分が感染しないことも大事ですが、他人に感染させてしまう可能性を常に考えて行動すること、が最も大切であると思います。若い方や体力に自信のある方であれば「感染しても自分は何とかなる。自然に治る。」と思うのでしょう。しかしながら、自分の強さが感染を拡大させるかもしれない、他人を不幸にしてしまうかもしれないことを自覚し、行動を考えるべきではないかと思います。身の回りでウイルス感染が拡大し、感染ルートのスタートが自分だと特定されてしまった場合を想像してみてはいかがでしょうか。

     
    外の空気を胸いっぱいに吸うことすら憚られ、精神的にも厳しい日々が続いておりますが、皆様どうかご自身の体調管理を万全に、また周りに広めないよう精一杯配慮してくださいますよう、お願いします。

     
     
     
    東村山駅にある「志村けんの木」

    COVID-19が落ち着いたら足を運んでみようと思います。

     
     
  • カテゴリー:YSYCの日常

    2020.03.10

    私は今イギリスに留学しています。欧州でもイタリアを筆頭に新型コロナの影響が日々拡大しています。先日、新型コロナウイルス「COVID-19」の男性生殖能力への影響について、Newsweekで掲載されていた記事を男性生殖研究の第一人者Allan Pacey教授が取り上げ、その講義を受けました。

    (記事内容)

    https://www.newsweek.com/chinese-scientists-coronavirus-male-fertility-1488235?_gsa=1&=1
     
    講義の要約ですが、中国の研究者が、COVID-19がヒトに感染する際の受容体(細胞にあるタンパク質)について調べたところ、精巣と腎臓の細胞に多く存在したそうです。つまり、COVID-19に感染すると、精巣と腎臓がターゲットになる可能性が考えられるため、感染した男性の生殖能力に注意を払うべきとのことです。Allan Pacey教授は、あくまで当該研究は生データで公開されたものであり、更なる検定の必要性を強調されていますが、生殖医療上留意すべき所見と考えます。

    YSYCスタッフには院内感染がおこらぬよう最大限の配慮をお勧めします。

    培養部 中嶋 直綱

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    以上の連絡により、精子にも影響を与える可能性のあるCOVID-19の院内感染防止を一層徹底するため、以下の内容に該当された方は院内での採精や診察等を当分の間お断りさせていただく場合がございますのでご了承ください。

     
    ・2週間以内に中国・韓国・イタリア・イランに渡航歴がある方

    ・2週間以内にCOVID-19感染者と接触歴がある方

    ・風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く場合

    ・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

     
    上記のような接触歴や症状がある方は、最寄りの保健所に設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。

    帰国者・接触者相談センターホームページ

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
     
    患者様の皆様、ご協力よろしくお願いします。

    YSYC スタッフ一同
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医療法人社団 煌の会 山下湘南夢クリニック 院長:山下直樹
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