医療法人社団 煌の会 YSYC山下湘南夢クリニック

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 不妊治療費助成金指定医療機関 藤沢駅南口徒歩4分 TEL 0466-55-5011

スタッフブログ 山下湘南夢クリニック(YSYC)は、神奈川県藤沢市にある不妊治療を専門とする医療機関です。 そこで働く私たちスタッフが、日々感じた事や不妊治療に関する事を書いています。

  • カテゴリー:研究内容

    2019.08.09

    こんにちは。高度生殖医療研究所の甲斐です。

     
    先日、研究室にイメージングシステムが導入されました。最先端のシステムで、日本のクリニックで導入されているのは当院のみです。そのシステムの名前はDragonfly(ドラゴンフライ)と言います。日本語に訳すとトンボですね。名前は撮影スピードの速さに由来しているそうですが、トンボは昔から勝ち虫として知られています。後ろに退かないからだそうです。このネーミングにもグッときます。

     
    実物がこちらの写真です。顕微鏡の左側に付いている装置がDragonflyです。顕微鏡も黒くカスタムしてもらって、最高にクールです。全体的に黒を基調とした仕上がりになっています。モニターはアームで伸び縮みして、なんだか近未来的な感じです。

     
     
     
    さて、一番重要な性能ですが、これも大変素晴らしいです。実際にDragonflyで撮影した動画をご覧頂ければと思います。

    これはマウス受精卵が細胞分裂して2細胞になる時に染色体が分配される様子を捉えた動画です。

    DNA(染色体)を緑色に、染色体を分配する上で重要な働きをする微小管(紡錘糸)をオレンジ色に標識しているのですが、2つの前核が消失して染色体1本1本に構造変化していく様子や、染色体が綺麗に配列して、紡錘糸によって2方向へ引っ張られる様子を鮮明に観察することができます。

    トンボのメガネはかなり凄いです。

     

     
    ここまでの解析技術を有しているクリニックは他に無いのではないかと思います。

    このシステムによって、これから様々な新知見を得られることが期待されます。治療がうまくいかない患者さんの発育停止した胚の原因究明、また臨床への応用に向けた基礎検討など、生殖医療発展の為に活用していきたいと思います。

     

    高度生殖医療研究所 甲斐

  • カテゴリー:研究内容

    2019.07.22

    皆様はいかがお過ごしでしょうか?高度生殖医療研究所室長の中田です。
    5月から6月は、日本卵子学会で発表、アンドロロジー学会では優秀演題候補に選ばれて発表、そしてオーストリアで開催されたESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)に行くという、今までにないくらいの過密スケジュールでした。
    そんな中でも私には、昔から心に決めている学会での信条があります。
    それは、「学会に参加したのであれば必ず質問をする!」です。学会に参加するのは、自分の研究やクリニックの成果を発表するため、最新の情報を得るためでもありますが、学会参加費は、クリニックの費用、つまり患者さんの治療費が元になっています。ですので、質問をせず、クリニックの名前、自分の名前も言えないまま、学会期間を過ごすのはとても居心地が悪い、なんのために参加したかわからないと思ってきたからです。
    もう10年以上前の学会では質疑応答が激しく、質問をするマイクの取り合いは頻繁に起こり、座長から続きは場外で行ってください、ということもよくある風景でしたが、最近の日本の学会ではこのような激しさはなくなってきたように思います。その中でも、私は質問することは続けているのですが
    しかしながら、海外の学会では英語の壁は厚く、気になることがあっても、英語で質問することができずにいました。しかし今回、オーストリアの学会では3回、学会会場のマイクで、英語で質問することができました。質問するということでこんなにどきどきしたのは初めてでした。
    ヨーロッパ生殖医学会は日本人の演題の採択率は低く、ほとんど日本人のいない世界中から来た人々の中で、質問をするのはとても勇気が必要でした。しかし、勇気の元には、発表の内容についてわからないことをそのままにしておきたくなかったことと、江戸末期から明治時代に日本から少年使節団(私よりもずっとずっと若い少年たちですが)がヨーロッパに送られ、英語もわからない中でたくさんのことを学んで日本に帰ってきたという本を読んだのを思い出したからでした。彼らは本当に勇気と希望に満ち溢れ、日本のこれからのことを考えていたと思います。今は、生殖医療だけでなく、他の技術も江戸末期とは違って、日本の技術の方が進んでいるし、海外にひけをとらないとも思うのですが。
    あまりうまくはない英語であっても、内容を理解しようとして、疑問を持ち、質問をする、というのは基本ではないか、と思います。
    私の質問に返答してくれたかたの答えを全て聞き取れず、全て理解できないという自分がはずかしくもありましたが、自分の少しばかりの前進を感じました。私の少しばかりの夢が叶ったオーストリアの学会になりました。しかし、英語をもっとうまくなるために努力を欠かさずにいたいなと思います。語学力がつきやすいのは若いころだと言われても、倍の努力をして、どう取り組むかで違うと思います。

    培養成績、妊娠率、研究の実績から見ても当院は世界でも戦えるクリニックだと思います。患者さんの皆様も、自分はどうだからと思わずに、まずは一歩でも、少しでも前進してもらいたいなと思います。それは、とても勇気の必要なことだと思いますが、何もしないよりも少しの努力でも、変わることもあると思います。私も英語だけでなく、実験もがんばりたいと思います。

     
    写真は、学会会場の企業ブースで見たサンドアートです。学会会場でアーティストの方がその場で作品を作るのを見たのは初めてでした。さすが、芸術の国とも思いました。サンドアーティストの方が、滑らかな手さばきで砂から家族の絵を作り出す様子にしばらく見とれてしまいました。

     
  • カテゴリー:研究内容

    2019.05.17

    新緑の季節になりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
    高度生殖医療研究所の中田です。
     
    52日から5日まで、香港で開催されたアジア生殖医学会(ASPIRE)で2題口頭発表をして参りました。クリニックのお知らせ欄でも挙げていただきましたが、ポケットWiFiがヒト精子の運動性、生存率に影響する、という発表内容が学会事務局の方の心に留まったのか、海外のメディアにリリースされることになりました。発表の準備、そのほかの仕事と、立て込んでいる中でしたが、とてもありがたかったです。結果として、ニュージーランド、オーストラリア、イギリスのテレビ局、ラジオ局、ネットニュースとたくさんの依頼をいただきました。そのひとつひとつに対応するのは、もちろん英語です。伝えたいことを伝えられない、というもどかしさ、これを克服するためには勉強以外の何物でもないと思いました。
     
    私は、人並みよりも多い好奇心のおかげで、英語を勉強することは小学生の頃から大好きでした。小学生の頃は母親に頼み込み、外国人の親子と泊りがけで出かけるツアーというものにも何度も参加し、日本人よりも外国人の子供と一緒に遊ぶのが楽しかったのを覚えています。いろんな英語の歌や遊びを教えてもらって、とても楽しく遊びました。中学では英語劇のクラブに入って、ヘレンケラーのヘレン役(英語を話すというより言葉を話せない役でしたが)など、自分なりに英語に近い環境にいるように努力したかなと思います。
    高校に入ってから、英語の発音や会話よりも大学入試のための英語の授業が多くなり、ある先生の英語の授業で、その文章を読みなさいと言われ、読んだところ「答えはあっているけれど発音が全くなってない。」と言われました。正直、とてもショックでした。私は、発音ができないのは学校教育のせいだ、自分のせいではない、とひねくれました。
    大学時代も研究室の先生が外国の研究者を呼んでくれて、あちこちに案内することがあった時に、一緒に行った友人が英語の発音やセンテンスになっていない言葉でも、たくさん発信していることにとても感動しました。英語にならなかったら、日本語だとこう言うんです、と英語で言っていたりしました。私は、友人をとてもすごいと思いました。
    大学を卒業し、就職してからも、外国の方と出会う機会が多く、自分の実験の説明をするときには、映像を示しつつ身振り手振り、筆記などで伝えたりとしていましたが、当時の私の上司からは、叱られ、嘲笑されました。実験のことをなんとか伝えた外国の方からはとても感謝していただけてうれしかったですが、私には日本人の前で自分の英語を話すことの方がとても怖くなりました。
    その後、私にとっては、外国人と話すよりも、英語のできる日本人の前で英語を話す、ということが、恥ずかしいを通りこして穴に入って出たくない、もう完全に無理、と思うようになりました。
    とは言っても、海外でも英語の発表です。日本人とは違う視点や考えを知りたいと思いますし、話してみたいと思うことはたくさんあります。もう5年になりますが、英会話のレッスンを続けてきました。幸いにもいい先生たちに巡り合えました。
    でも、今回もまだまだ全然だめだ、もっとがんばろう、笑われてもそれでもいいから自分の研究を話せるようになろう、1年前よりはマシになろう、質問に少しでも答えられるくらいにはなろう、と思っている矢先に、メディアリリースになり、英語の質問がたくさんきて、もうかなり大変でした。頭痛、めまい、歯痛、胃痛の毎日でした。
     
    また、最近ではマレーシアのクリニックの培養士さんたちが研究に興味をもってくれて、わざわざクリニックにきてくれて、それを英語で説明したり、今回のようにリリースの内容を英語で説明をしたりと、10年前の私だったらたぶん逃亡していたかもしれないことを自己満足度20%でもできたのはよかったなと思います。脳細胞は死んでいく一方でも、興味があることだったら、微々たるものでも伸びていってほしいなと思う毎日です。
     
    私がここでお話したかったのは、トラウマになりそうなことでも、少しずつでもがんばったら、ヒトの評価は全然ダメであっても、結果はどうであっても、自己満足度は少しずつ上がるかもしれない、ということです。逃げてしまったらゼロのままで、むしろマイナスくらいで、ヒトからいろいろと言われても自分ががんばれた、少しでもレベルがあがった、よく頑張ったじゃない自分というだけでも、結果が大事な世の中だったとしてもいいのかなと思います。自分のことを自分が褒めてあげることもきっと大事ですよね。能力を超えるには、諦めない気持ち、戦う気持ち、そしてきっと努力なのだろうと思います。
     
    そうでした!今回は香港の学会発表のことでしたが、発表も自分なりに楽しくできて、質問にも少しは答えられたかなと思います。でも、やっぱりまだまだなので、勉強を続けようと思います。
     
    写真は香港で行った黄大仙というお寺です。占い師さんが150人もいる、占いスポットとしても有名なところです。私は手相占いをしてもらいましたが、肝臓に気を付けて、せっかちにならなかったら92歳まで生きれるヒト、とてもよく動きあちこちに行くヒト、専業主婦に完璧に向かないヒト、などなど言われました。当たっていることが多かったので驚きました。

     
  • カテゴリー:研究内容

    2019.04.24

    桜も満開から葉桜になりかけているこの頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
    高度生殖医療研究所の中田です。
    私が今までにスピーチを聴いて、言葉に魂がこもっていると感じたのは、スティーブ・ジョブズの卒業式のスピーチ、オバマ大統領が広島に訪問された際のスピーチでした。英語で話しているのだけれど、言語が違っていても何て命の吹き込まれた言葉なのだろうと思い、何度も繰り返し聞いては、涙もろい私は何度も泣きました。
    最近、東京大学の上野千鶴子総長の入学式の祝辞を聴いても、胸が熱くなりました。
    全文はこちらになりますが、私は、以下の部分にとても感動しました。
    https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html
    「あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。でずが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうぜわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
    あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。」
    不妊治療は1990年代後半から日本だけでなく世界でも急速に広まった治療の一つです。科学の進歩とは言いますが、2000年頃では難しかったことが今では当たり前の技術になろうとしています。その背景には、たくさんの悩まれた患者さんたちがいて、それを何とかしようとしてきた医師や看護師、培養士たちの努力があります。どれだけ頑張っても報われない、うまくいかない、というのは、昔も今も気持ちは同じかもしれませんが、昔に難しかった患者さんたちが今ではうまくいく可能性が高くなっているということもあります。治療に行くこともできなかった、だれにも不妊治療のことを打ち明けられなかった世の中が当時患者さんだった方々が戦ってくれたこともあり、今少しずつ変わってきたのかもしれないとも思います。また、妊娠して出産すると退職して当たり前、職場でマタハラ、パワハラ、冷遇されて当たり前の世の中が、育児休暇をもらい、職場に復帰できること、時短という制度ができたことなども、孤独に戦い、勝ち抜いてきた人たちがいたからこそのことだと思います。治療にしても、女性の生き方としても、今では当たり前となっていることが当たり前ではなかった時代の話をしても、若い人たちからすると自分たちの時代ではないし、自分たちのせいではないからと言うかもしれないです。しかし、何にしても歴史を作ってくれたひとたちがいたからだと言うことを私も忘れてはいけないなと思いました。
    また、最近、私はずっと手掛けていた論文が受理されました。何度も、査読をしてくださった先生方からご指摘をいただき、修正を繰り返しました。査読をしてくださっている先生方は、自分の仕事以外に無償で論文の内容について指摘し、この書き方の方がいいというアドバイスをくださっていました。私は論文を書きながら、自分に欠けているものが何かということとを恥ずかしく思いつつもそれを認め、教えてくださっている先生たちへの感謝の思いが増しました。おそらく、その先生方も論文を出す際には、別の先生方からのご指摘をいただきながら、論文という知の財産を共同で作っているのだろう、とも思いました。自分だけ良ければいいと言うのではなく、自分の経験だけでなく、過去の報告と照らし合わせ、しっかりした科学の根拠を示し戦っていきなさい、というエールだと思うことができました。
    私は上野千鶴子さんという女性がどのような方でどのような経歴の方か、よく知りません。けれども、私は女性の生き方だけでなく、不妊治療という治療について、論文を書くということについても共通することがあるなと思う言葉になりました。
    4月は外部で講師を務め、5月は学会と過密なスケジュールです。でも、新しい研究の報告をすることで、少しずつでも患者さんの選択肢を広げ、可能性を上げることができればと思います。春は気温の変動も激しいので、皆様もおからだを大切にしてください。
    写真はこの歳にして初めてみたディズニーランドの夜のショーの写真です。プロジェクションマッピングも素晴らしく、心に残る夜になりました。
     
     
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